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表紙の人 SPECIAL EDITION アーティスト 安室奈美恵さん

2018.07.31 Tue.

表紙の人 SPECIAL EDITION
アーティスト 安室奈美恵さん


「これから未来に向かって若い子たちが、
もっともっと沖縄を好きになってくれて、
「沖縄に生まれてよかった」って思えるような
沖縄になっていってほしい。」

2017年9月16日・17日。年越しの念願だった沖縄での25周年ライブを成功させた安室奈美恵さんは、その3日後、40歳の節目を迎えた誕生日の9月20日に、公式ウェブサイトで「2018年9月16日をもって引退することを決意いたしました」と発表した。その衝撃はトップニュースとなって国内外をかけめぐり、安室さんの生まれ故郷である沖縄でも、安室さんを応援し、誇りに思い、心の支えとしてきた多くの人が、引退発表を信じられない思いで聞いた。
その年の大晦日には14年ぶりに「紅白歌合戦」に特別出演し、公共の電波を通じて多くのファンを喜ばせた安室さん。明けて2018年2月からスタートしたラストツアーでは国内海外合わせて23公演を敢行し、単独の歌手として国内過去最高の約80万人を動員するという新たな金字塔をまたしても打ち立てた。さらに、そのツアーの最中で多忙を極めていた5月には、歌手として史上初となる沖縄県県民栄誉賞の授与を受けるため、極秘裏に沖縄へ帰郷するというサプライズもあった。
まさに県民の誇りであり、計り知れないほどの夢と感動を与えてくれた安室さん。わずか14歳でデビューした沖縄生まれの少女が、25年もの長きにわたり、プロとして頂点を極め続けることができたのはなぜなのだろうか。今回は特別編集として、安室さんの過去のインタビューでの発言をひもといてみる。

「もともとは本当によくよくある話で、お友達に誘われてスクールを見に行って、スカウトされて入ったっていう感じだったんです。そこのスクールの看板が大きくパーンと出ていた時に、『歌手・女優・ダンス』みたいなことを書いてあった記憶があるんですけど。
(中略)単純に、歌は誰の指示もなく、自分の自由に表現できた。それはダンスも。もともと踊るのが大好きな子だったんですよ(笑)」
(引用元1)

「ちゃんと自分の未来とかを想像できるようになったのは、やっぱりソロになってからっていうのはすごく大きかったんじゃないかなと思います。グループだと、ひとりの意見じゃもちろん何もできないので、歌手の安室奈美恵っていうのはどう行かなきゃいけないのか、行くべきなのか、っていうの(を考えるようになったの)は、ソロになってからですね」(引用元1)


「20代後半の時に、ずっと『安室奈美恵としてどうしなきゃいけないのか』って考えすぎちゃって、わからなくなってしまった時があって。その時に『別の名前でアルバムを出してみたい』って言った時があって。いろんなものを考えなくていい、枚数も気にしなくていいしランキングも気にしなくていいし、とにかくその時に単純に『好きだ、この曲歌いたい』『このアーティストさんと一緒にコラボしてみたい』というのをリリースした時に、自分が思っている以上に皆さんの反応が良かったので。
何がいままでと違ったのかな? と考えた時に、歌いながら踊るっていうことを『楽しむ』っていうことを忘れていて。やらなきゃいけない、やらなきゃいけない、『安室奈美恵ってどうしなきゃいけないの? 何をすればいいの?』としか考えていなかったので... だんだんだんだん、それを『楽しむ』ということを多分忘れちゃってて。
安室奈美恵っていう名前に戻った時に、それ(歌いながら踊ることを楽しむこと)を忘れずに、今日まで、やれてるっていう...そこはやっぱりすごく、大きなポイントだったかな」
(引用元1)

「自分に合っているものは何か、自分に必要なもの...自分が定めたゴールに対して必要なものは何か、必要でないものは何かで引き算していった結果、コンサートだけ、っていう感じに...。わりと究極、の感じでしたね」(引用元2)

「沖縄サミットっていう大事な時期に関わらせていただいた楽曲だったので、沖縄で歌うことによって『NEVER EN
D』っていう楽
曲は意味を持
つんだろうな、
と。自分自身も
沖縄に帰ってき
たなっていう感
じは、『NEVE
R END』を歌
うとやっぱり、
思いますね。こ
れから未来に
向かって若い子
たちが、もっと
もっと沖縄を好
きになってくれて、『沖縄に生まれてよかった』って
思えるような沖縄には、やっぱりなっていってほし
い」(引用元1)

「沖縄に対しては、すごく優しい場所でもあるし、ただただ自分に厳しい場所でもあるなと。いつも帰ってくるたびに初心に戻してくれる場所でもあるので、すごく自分にとっては落ち着ける場所だなと思っています。そういう場所に、ひとりでも多くの方たちに興味を持ってもらったりとか、好きになってもらえてたらいいなと思います」(引用元3)

引用元1:「Documentary of Namie Amuro “Finally” デビュー25周年沖縄LIVEに密着」(Hulu(フールー)にて2019年4月30日まで期間限定配信)
https://www.happyon.jp/documentary-of-namie-amuro
引用元2:「ニュースウォッチ9」(2018年6月4日放映・NHK総合)
引用元3:「沖縄県県民栄誉賞授与式後の記者会見」(2018年5月23日実施・沖縄県)

こうした安室さんの言葉から、私たち沖縄のビジネスパーソンが学べることは多々ある。例えば、「誰の指示もなく自分で自由に」できる「大好きなこと」を仕事にする喜びと、強み。グループ=組織の一員としてではなく、ソロ=ひとりの個人として「自分の未来を想像」する大切さ。やらなければならないことに囚われて方向を見失っても、仕事を「楽しむ」ことを思い出せば自分を取り戻せる、という希望。定めたゴールに対して必要なものとそうでないものを「引き算」して、極めていった仕事のスタイル... 挙げればまだまだキリがない。
そして、沖縄という土地への想いの深さにも、感じ入るものがある。「若い人にもっと沖縄を好きになってほしい「」ひとりでも多くの人に沖縄に興味を持ってもらいたい」、そして「『沖縄に生まれてよかった』と思える沖縄になっていってほしい」... こうした安室さんの言葉は、沖縄で仕事に取り組むビジネスパーソンすべてが抱いている想いと、大きく重なり合っていると思わずにはいられない。
安室さんが自らのキャリアを極めたように、私たちも初心を忘れず、定めたゴールに向かってそれぞれの仕事を精一杯、妥協せずに楽しみながらやり抜けるはずだ。安室さんにもらった勇気と力を胸に、私たちも沖縄をもっともっと、盛り上げていけるはずだ。

《安室奈美恵さん プロフィール》
沖縄県出身。1996年、グループのメンバーとしてメジャーデビューし、その後ソロに転向。以降、「CAN YOU CELEBRATE?」「Don’t wanna cry」「Chase the Chance」「NEVER END」などのヒット曲を連発し、ファッションやメイクを真似る“アムラー”が社会現象に。近年ではリオデジャネイロオリンピック・パラリンピックのNHK放送テーマソングに起用された2016年7月発売のシングル「Hero」が大ヒット。さらに2017年発売のオールタイムベストアルバム「Finally」は、累積売上枚数220万枚のダブルミリオンを突破した。2018年のラストドームツアーを収録したDVD&Blu-ray「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」は2018年8月29日発売。“東京ドーム最終公演”と2017年開催の“25周年沖縄ライブ”に加え、“各地5大ドームから選べる1公演”の豪華3公演を収録。

※下記の画像は「沖縄ベンチャースタジオ54号」電子ブックにてご確認ください

ラストツアー「namie amuro Final Tour 2018 ~Finally~」より。MC(曲間のトーク)なしで全30曲を3時間にわたって歌い踊り続ける圧巻のパフォーマンスで観客を魅了した

栄誉賞授与式では涙で声を詰まらせる場面もあった安室さん。受け取った表彰状にはこう記されている。「あなたはメジャーデビューから25年 常に日本を代表する女性アーティストとして 音楽界の第一線で活躍され 数々の記録を打ち立てられました そして『平成の歌姫』の心に響く歌声は 日本のみならず世界の多くの人々を 魅了し続けています この輝かしい活躍は県民に 大きな夢と感動を与えました よってここに永くその栄誉をたたえ 県民栄誉賞を贈り 表彰します」